現地での仕入れについて

福田市場について教えてください。

中国の貿易特区義烏(イーウー)市にある福田市場(国際商貿城)は世界最大の卸売市場です。 総面積400万平方メートル(東京ドームの約85個分)の広大な敷地に、営業面積640万平方メートル、 75000軒を超える常設ブースで210万種の商品が取り扱われております。 出店しているサプライヤーの種類は、 ①工場、②メーカー、③一次問屋、④二次問屋など様々な業態が混在しています。 ①工場は、文字通り自社で工場を持っていて特定のブランドを持たず、OEM・ODM専門で発注者を探すために出店しています。 商品カテゴリによりますが、全体の10%程度です。「厂家」と表示していることが多いです。 展示品の多くは過去の受注物のため、他社のブランドです。 工場にそのブランド=商標の商品を販売する権利はないので、在庫品を仕入れることはできません。 サンプルを持参すればデッドコピーを作ることもできます。 ②メーカーは自社で設計はするものの、生産は別の工場に流します。いつも取引している取引 先工場を持っているのでロットは低くなります。 自前ブランドのサンプルを置いてますので、在庫があれば20個、50個といった数量でも仕入れは可能ですし、 工場とつながっていますからOEMも可能です。同じくカテゴリにもよりますが、全体の10%程度がこのスタイルです。 ③一次問屋は、工場の代理店(エージェント)で、文字通り工場と契約して代理で営業している業者です。 福田市場に店舗がない、または遠方の工場などを発掘して生産してもらっています。 特定のカテゴリで1社~5社程度の工場に絞って取引をしているため、 その生産ラインの空き状況や設備にも精通しており、工場と商談するのと殆ど変わりません。 むしろ初見での工場直取引よりも交渉ができ、福田市場の半分程度はこのスタイルです。 ④二次問屋は、上述した工場やメーカー、一次問屋から商品を仕入れて並べている問屋です。 主に在庫品を販売していて、イーウーでは電気製品やアパレルにこのスタイルが多いです。 最少ロットは2箱からといった小ロット取引が可能ですが、単価は高いです。 OEM注文も可能ですが、商品や工場に詳しくないため、思っていた商品と違ったり、 意図的に過去に返品された不良品を混ぜてくるなど、トラブルも起きがちです。  

工場と取引にこだわった方が得ですか?

経験上ですが、必ずしも工場直取引に拘る必要はありません。 実は工場、メーカー、一次問屋は、同じ取引条件(同じ商品、品質、ロット数)であれば価格はそこまでの差にはなりません。 例えば、福田市場の大多数を占める一次問屋でカバンを注文する時、ロット300個・単価25元の場合、 同一商品を一生懸命探して、仮に生産工場を見付けられたとしても、単価は押さえられてもロットは増えることが一般的です。 仮に運良く工場直接取引を見つけられ、単価が23元に下がったとしてもロットが500、または1000に増えたらいかがでしょうか? ロットが大きくなれば、当然在庫を抱えるリスクは高くなりますので、全てが有利になるわけではありません。 一次問屋が仕入れている工場は福田市場に出店していない工場での製造をしていることも多々ございますし、 なによりも取引条件が合うサプライヤーが重要であって、工場か問屋かはそこまで気にしないほうが良いです。 そこに注力し、時間を割くよりも、同商品で最低3店舗見付け、条件を比較することが大事です。 値下げ交渉についても質問いただくことがありますが、福田市場では、競合がひしめき合っているので、 どのサプライヤーも最初から値切り交渉の余地を挟まないラストプライスを提示してきますから、値切り交渉をする必要がありません。 逆に値切り交渉をするということは、材料、パーツを安いものに変更するなど品質を下げられるリスクが発生します。 しかし、なかには相場より高めに吹っかけてくるサプライヤーもいますから、少なくとも複数店舗から比較して決めましょう。

中国仕入れは品質に不安があります。

日本の常識では不良品ばかりです。 義烏は世界中の国々と取引をしており、地域別では ヨーロッパ:25% 南米:20% 北米:15% アフリカ、中東:10% アジア:8% オセアニア:7% 中米:5% 国別では 1位:ブラジル 2位:メキシコ 3位:アメリカ 4位:イギリス 5位:ロシア 6位:インド 7位:南アフリカ 8位:ドイツ 9位:フランス 10位:オーストラリア となります。(2018年商城集団) まず、品質要求で厳しく同列とされる日本と韓国は福田市場からすればメインの取引先ではなく、 流通している製品自体も主体となる国、地域の基準です。 ですので、根本的に日本基準の品質は存在しないと言って差し支えないでしょう。 したがって、工場・問屋が検品して「合格品」とした商品の中には、日本の品質基準に照らすと不良品が多数存在するので、 それを理解した上で、弊社など代行会社にて検品し、不良品交換を業者と交渉していくのが義烏仕入れのやり方です。 サンプルを持ち込んでも工場や問屋に品質基準を示してその通りに作らせることは不可能です。(自分で工場を作れば可能ですが) なお、世界共通ですが、一般的には高額商品の不良率は低く、安価な商品には不良品が多いです。 また、工場によっては交換に応じないこともありますから、買付時の契約書に書いておくことが肝要です。 こうした交渉もイーウーパスポートにお任せ下さい。