電気用品安全法の対象となる電化製品を海外から輸入して販売する場合、基準に適合しているか確認し、PSEマークを表示する必要があります。
電気用品安全法は、電化製品によって火災や感電が起こるのを防止するために定められた法律です。
そして電気用品安全法の基準に適合した製品には、PSEマークが表示されます。
PSEマークの申請には時間もお金もかかるうえに、違反してしまうと出荷停止や罰金など厳しく処分される場合があります。
そのため、知識の少ない中国輸入初心者が家電に挑戦するのはハードルが高いでしょう。
それでも家電販売に興味があり、やってみたいという人は、まずはPSEマークなしで販売できる商品から始めるのがおすすめです。
この記事では、初心者でも参入しやすいPSEマーク不要の家電を紹介します。
PSEマーク不要の家電は多数あるので、十分売上アップにつなげられますよ。
さらに商品の幅を広げていきたいと思ったら、勉強してPSEマークの申請に挑戦してみてもOK。
まずはできるところから始めてみましょう。
本記事で紹介した情報は執筆時点のものです。必ず最新の情報を確認してから販売を行ってください。
また、販売可否は商品により異なります。ご自身で情報を取得して判断するようお願いします。
PSEマークの表示が義務付けられている家電
PSEマークなしで販売できる家電を紹介する前に、PSEマークの表示が義務付けられている家電はどのようなものか、押さえておきましょう。
次の特徴をもつ家電では、PSEマークの表示が義務付けられています。
- コンセントにつないで使用するもの
- リチウムイオン蓄電池(他の電化製品の充電が主な用途であるものが対象)
コンセントにつないで使用する家電は、
- テレビ
- 冷蔵庫
- 電子レンジ
- ACアダプタ
- 延長コード
など、家庭で使用する多くの電化製品が対象になります。
延長コードもPSEマークがないものは販売できないので、注意しましょう。
また、スマホなどの充電を主な用途とするリチウムイオン蓄電池も対象になっており、次のような商品が該当します。
- モバイルバッテリー
- 加熱式タバコやワイヤレスイヤホンの充電ケース
最近はタブレットやPCでも、ケーブルをつないでスマホや電化製品を充電できますよね。
しかしタブレットやPCは主な用途が充電ではないので、電気用品安全法の対象にはなりません。
ただし、充電が主目的でない商品でも、バッテリー容量などの仕様によっては、取り扱いが異なる場合があります。
初心者では判断が難しいので、充電機能のある商品を販売する際は経産省に問い合わせて、輸入して問題がないか確認してから販売してくださいね。
PSEマークの表示が不要な家電
ここではPSEマークの表示義務がなく、他の商品と同じ流れで輸入・販売できる商品を紹介します。
次のような特徴をもつ家電は、PSEマークがなくても販売可能です。
- 電源プラグのついていないUSBケーブル
- USBケーブル経由で給電する家電
- シガーソケットから給電する家電
- 電池で動く家電
これを参考に家電ジャンルに挑戦してみましょう。
電源プラグのついていないUSBケーブル
コンセントに差し込む電源プラグのついていないUSBケーブルは、PSEマークの表示が不要です。
スマートフォンとパソコン、デジカメとパソコンなどをつなぐ、両端子ともに電源プラグではないケーブルを指します。
これらは電気用品安全法の対象ではないので、初心者でも参入しやすいでしょう。
USBケーブル経由で給電する家電
USBケーブルを使用して給電するタイプの電化製品も、PSEマークなしで販売できます。
具体的には次のような商品があります。
- 卓上扇風機
- 卓上ライト
- パソコン用キーボード
パソコン周辺で使用するものが多いので、パソコン周辺機器について仕入れの際にチェックしてみるといいでしょう。
ただし、携帯扇風機や充電式カイロのように、内蔵バッテリーの搭載されている商品ではPSEマークが必要な場合があります。
USB充電式の家電(内蔵バッテリーあり)を販売するときの注意点
USB充電式の電化製品で、内蔵バッテリーを搭載している商品では、バッテリーの取り外しができない形状のものであれば問題なく販売できます。
ただし、用途が複数ある商品では、PSEマークが必要になるケースもあります。
たとえば、USB充電式のLEDランタン。
主な用途はキャンプや防災用品ですが、モバイルバッテリー機能がついており、ケーブルでつないでスマホを充電できます。
充電式カイロも同様で、主な用途はカイロですが、モバイルバッテリー機能がついている商品があります。
このような他の電化製品の充電機能のある商品では、バッテリー容量などの条件によりPSEマークの要不要が異なるので、注意が必要です。
販売前に担当省庁へ確認しておきましょう。
シガー ソケットから給電する家電
車についているシガーソケットから電源をとる電化製品も、PSEマークなしで販売できます。
たとえば、車内で使えるライトやハンディータイプの掃除機などがあります。
シガーソケットはもともと、車内でタバコを吸うときに火をつけるためのものでした。
現在はスマホを充電したり、ミニ扇風機を使用したりする電源として利用されています。
最近では喫煙人口の減少に伴って本来の目的で使用する人は減っており、シガーソケットのついていない自動車も増えています。
そのため、今後売上が伸びていきそうな商品とは言えませんが、PSEマークなしで販売できるということは覚えておいてください。
電池で動く家電
電池を使用する電化製品はPSEマークなしでOKです。
おもちゃや懐中電灯などがあります。
電池式の電化製品は、紹介した中でもっともPSEマークの要不要が分かりやすいでしょう。
ただし、気になる点があれば、必ず関係する省庁に確認をとってから販売してくださいね。
家電の輸入に関わる法律
家電を輸入する際に関わってくる法律は電気用品安全法だけではありません。
次のような法律についても関わってくる場合があるので、商品ごとに確認が必要です。
食品衛生法
ジューサーやコーヒーメーカーなど、食品に直接接触する器具を輸入する場合に届出が必要。
医療品医薬機器等法(薬機法)
マッサージ器や美容家電などで手続きが必要になる場合がある。
電波法
テレビ、パソコン、スマートフォンなど、電波を発する電子機器や無線通信をする製品が対象。
Bluetooth製品も対象になるので、イヤホンやスピーカー、ワイヤレスマイクなどを輸入する際には注意が必要。
家電を輸入する際はこのような法律に当てはまるかどうか、それぞれに確認してから仕入れるようにしましょう。
まとめ
本記事では中国輸入初心者でも参入しやすい、PSEマーク不要の家電を紹介しました。
PSEマークなしでも販売できる家電
- 電源プラグのついていないUSBケーブル
- USBケーブル経由で給電する家電
- シガーソケットから給電する家電
- 電池で動く家電
家電の輸入販売では、法令を遵守しなければなりません。
不明点があれば必ず担当省庁に確認をとるようにしてくださいね。
中国輸入を始めたばかりの方は、まずはPSEマーク不要の家電から挑戦し、商品の幅を広げていきましょう。
売上を伸ばしていくためには、さまざまなジャンルに挑戦して経験を積んでいくことが大切ですよ。
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