「OEM商品って、結局は価格勝負になりがち…」
そんな悩みを抱えていませんか?似たような商品があふれる中で、「なぜあの商品だけ売れているのか?」と疑問に思う方も多いはずです。
実は、成功しているOEMブランドには「価格以外の魅力」をしっかり伝える戦略が存在します。
本記事では、OEMビジネスにおいて価格競争に巻き込まれず、確かなファンを生み出しているブランドの共通点に迫ります。
キーワードは「価値づけ」。商品の背景にある顧客の共感と支持を得るためのブランド戦略を具体的に解説します。競争の激しいOEM市場で選ばれる商品になるヒントをお伝えしますので、ぜひお読みください。
成功ブランドに学ぶ「価値づけ」の工夫

OEMでは、同じ工場が製造している商品でもブランドごとに仕様や販売方法が異なる場合があり、結果として見た目や機能が似た商品が生まれることがあります。そのため、消費者が価格で比較しやすく、結果として価格競争に巻き込まれやすくなります。
この傾向から抜け出すためには、単なる機能ではなく、商品に付加価値をつける必要があります。価格以外の軸で「このブランドを選びたい」と思わせる戦略が欠かせないのです。
この章では、ブランドの価値づけに成功している3社の例を挙げながら、OEM商品の差別化に必要なものは何かに迫っていきます。
成功事例1:無印良品(※1)
まずは、シンプルで良質な商品でファンを獲得している無印良品の事例を見てみましょう。
無印良品が創業当初から大切にしているのが次の3つの原則です。
- 素材の選択
- 工程の点検
- 包装の簡略化
生産工程でなくても成立することを省き、ムダを削ぎ落とすことでコストを下げ、「必要十分な品質の商品を、低価格で提供すること」を実現しています。たとえば、パッケージを漂白しない紙にすることで、包装コストの削減と環境配慮の両立に成功しています。
多くのブランドが「これがいい」と選ばれる商品を目指して付加価値やデザインを足していくのに対して、無印良品は「これでいい」と理性的な満足感を得られることを目標とし、「必要十分」とされる商品作りを続けてきました。「足し算」ではなく、「引き算」の商品作りです。
無印良品は、「これでいい」という理念をもとに商品開発を続けており、その思想がシンプルで汎用性の高いデザインとして評価されています。取扱い商品は7,000点以上にのぼり、家具や家電、化粧品まで幅広く揃っています。「無印良品に行けば、シンプルで良質な商品が比較的低価格で手に入る」という期待が、ブランド価値となっているのです。
(参考:無印良品)
※1:株式会社良品計画の登録商標
成功事例2:ユニクロ®(※2)
ユニクロは「LifeWear(ライフウェア)」という思想を掲げ、日常をより快適にする「究極の普段着」を目指しています。特徴は、シンプルで高品質、誰にでも似合うデザインを徹底し、世界中の人々の暮らしを良くする商品を提供していることです。
また、ユニクロでは、リサイクル活動「RE.UNIQLO」などを通じて、衣料品の回収・再利用に取り組んでいます(※公式情報より)。
さらに、世界で活躍するスポーツ選手とアンバサダー契約を行ったり、世界的ファッションデザイナーとコラボレーション、人気アニメとタイアップしたりして、話題性、信頼性を確立し、幅広くファンを獲得しています。
世界規模で社会的価値を生み出している点もユニクロの1つの独自性といえるでしょう。商品そのものの機能に加え、その背景や想い、取り組みを丁寧に伝えることで、共感されて選ばれるブランドを確立しているのです。
(参考:ファーストリテイリング「IR情報」、ユニクロ「RE.UNIQLO」)
※2:株式会社ファーストリテイリングの登録商標
成功事例3:3M®(スリーエム)(※3)
3Mは、「ポスト・イット®」や「スコッチ®」(いずれもスリーエム カンパニーの登録商標)などの個人向け生活用品から、建築・医療・電子分野の業務向け製品まで幅広く取り扱っている会社です。「日常の不便を科学で解決する」という姿勢を貫き、革新的な商品を生み出しています。
3Mでは、社員の自主的な研究活動を奨励する「15%カルチャー」と呼ばれる制度が知られています(※3M公式情報より)。これによって顧客から提供される改善案だけではなく、研究者自身が新しいものを創造することにより、製品の幅を広げているのです。
コロナ禍で開発されたフェイスシールドも、医療現場のニーズと15%カルチャーから生まれた製品の1つです(※3M公式情報より)。スピード感を持って社会課題に応えられたのは、普段から自由な研究を許容する文化があったためだといえます。
3Mのように「生活者の小さな不便を見つけて解消する」視点を取り入れることで、競合と似た商品でも違いを生みやすくなります。顧客のニーズを汲み取りながら、アイデアや改善の余地を前向きに試す姿勢が、商品の機能性を高め、ファンの獲得につなげられるのです。
(参考:3M「製品」「キャリア」)
※3:スリーエム カンパニーの登録商標
OEMでもできる「価値づけ」戦略の実践方法

無印良品、ユニクロ、3Mに共通するのは、商品そのものの機能性だけでなく、「使い方」「ブランドストーリー」「世界観」を顧客にうまく伝え、ブランドとしての「価値」を生んでいる点です。この章では、OEM商品でもできる「価値づけ」の具体的な方法をお伝えします。
OEMでも取り入れられる価値づけのポイントは、次のとおりです。
- 商品で得られる価値・体験を伝える
- ブランドストーリーを見せる
- 世界観を統一する
それぞれ詳しく解説します。
商品で得られる価値・体験を伝える
現代の消費者は、商品そのものの機能よりも「それを使うことでどんな体験が得られるか」に価値を見出す傾向が強くなっています。
たとえば、ユニクロを代表する商品の「ヒートテック」は、薄くて暖かい着心地抜群のインナーです。
数年前のユニクロのCMで、冬場の夜中・早朝にひたむきに働く人々が、作業着を脱いだら中にヒートテックを着ていたという展開のものがありました。「寒さを忘れ、目の前の仕事に専念できる」という体験・価値を伝えているのです。
この体験・価値を意識することで、価格競争から一歩抜け出せます。商品説明やパッケージ、写真の演出においても、機能だけでなく使用シーンや感情に訴える要素を盛り込むことで、消費者の記憶に残るブランド体験が生まれます。モノではなく「心が動く体験」を提供することで、ファンを惹きつけやすくなります。
ブランドストーリーを見せる
ストーリーブランディングとは、ブランドや商品の背景にある物語を活用し、顧客との感情的なつながりを築くマーケティング手法です。製品のスペックや価格ではなく、「なぜこの商品を作ったのか」「どんな想いが込められているのか」といった物語が、人々の共感を呼びます。
たとえば、創業者の体験や社会的な問題意識、開発過程での苦労や工夫などを語ることで、ブランドに「人間らしさ」が加わり、商品に愛着が湧きます。
例として、3Mのポスト・イットの開発話を挙げてみましょう。
ある日、3Mの研究者が接着剤の実験をしていたところ、軽く貼れて簡単に剥がせる接着剤を作り出しました。最初は用途がはっきりしていませんでしたが、教会で讃美歌のページに挟んでいた小さな紙切れが落ちるのを見て、5年前に開発した軽く貼れて簡単に剥がせて接着剤の存在を思い出しました。それがポスト・イットの原点です。
(参考:3M「ポスト・イットブランドについて」)
このように、商品開発のストーリーを見せることで「単なる付箋」から、「5年もかけて生み出された発明品」へとイメージを昇華することができます。
SNS投稿や商品ページにエピソードを組み込むことで、消費者はそのブランドを「応援したくなる存在」として受け止めやすくなります。最終的に、価格ではなく価値で選ばれるブランドとなるのです。
世界観を統一する
ブランドの世界観は、顧客にとっての「共感軸」になります。まずは、「誰に、どんな価値を届けたいのか」というビジョンを明確にすることが重要です。そこからターゲットに合わせて、以下のようなすべての世界観を統一して作り込んでいきます。
- 商品名やタグ、ロゴ
- パッケージのデザイン
- 販促物やシールの雰囲気
- 商品ページのデザイン・言葉使い
こうした工夫をすることで、顧客はブランドに対して一貫した印象を持つことができます。消費者にとって「ブランドらしさ」を感じる体験になり、ファン化につながっていくのです。
これらは、工場や輸入代行会社と協力することで、OEM商品でも実現できます。たとえば布タグを印刷したり、オリジナルのパッケージを作ったりすることで、ブランドの世界観を統一できますよ。
ファンを生み出す3つの重要要素

ブランドのファンになってもらうには、良いものを作るだけでは不十分です。また「買いたい」と思える理由作りが大切です。
そのためには、商品そのものの良さだけではなく、世界観や伝え方まで丁寧に考える必要があります。ブランドのリピーター・ファンになってもらうために大切な要素は以下の3つです。
- 機能性(スペック)
- 感情的共鳴(世界観・共感)
- 接点設計(使う場面・見せ方・伝え方)
1つずつ見ていきましょう。
機能性(スペック)
まず大切なのは、商品としてきちんと役割を果たすことです。いくつか例を見てみましょう。
- 傘→雨を防ぐ
- 洗濯機→衣類を洗う
- 電子レンジ→食べ物を温める
この基本機能が不十分だと、どれだけデザインが良くても満足されません。まずは当たり前の働きをしっかり果たす商品であることが重要です。
その上で、便利な機能を追加したり、デザイン性をもたせる商品作りがファンを呼び込みます。ユーザーから意見があったときは積極的に改善し、機能性の向上を図ることが大切です。
感情的共鳴(世界観・共感)
感情的共鳴とは、商品を使ったときに「気持ちに合うかどうか」「共感できるか」を指します。
たとえば、無印良品なら「どんな生活にもなじむシンプルな商品」、ユニクロなら「誰にでも似合う着心地の良い服」が、お店に行ったり、商品を使うことで伝わります。購入者は「自分に合う」と感じると、ブランドに親しみを持つようになります。
そして、ブランドイメージができると、欲しい商品があるときに「このお店なら売っているだろう」と思い出してもらえるのです。
こうした世界観やコンセプトは、一つの商品だけでは伝わりにくいものです。ロゴやパッケージ、商品陳列、SNS投稿など、すべてが統一されていることで少しずつ浸透していきます。長期的にブランドイメージを伝えていくことが大切です。
接点設計(使う場面・見せ方・伝え方)
どんなに商品が良くても、購入者が自分ごとで想像できなければ手に取ってもらえません。パッケージ、商品陳列、SNSでの紹介、説明の文章など、見せ方には多くの工夫ができます。どんな人が、どんな場面で使う商品なのかを分かりやすく伝えることが大切です。
商品ページの写真にしても、たとえば次のような見せ方ができます。
- 計量カップ→母親が子どもと楽しくお菓子作りをする姿
- コーヒーカップ→女性がコーヒーを飲みながら、ゆったり読書をする姿
- パソコンスタンド→会社員がオフィスで快適にパソコン作業をしている姿
シーンが浮かぶと、「自分に必要かどうか」を判断しやすくなります。自分の悩みを解決できそうと感じたとき、購入者は商品に興味を持つのです。
継続購入につなげる集客施策
ブランドの価値は、一度きりの購入ではなかなか伝えきれません。既存顧客に再び来店してもらうきっかけ作りも大切です。この章ではリピート購入してもらうための具体的な集客施策をご紹介します。
再購入を促す導線をつくる
一度購入してもらった顧客を再び呼び込むには、多くの接点を作ることが大切です。以下は既存顧客に対するリピート購入につながる具体的な方法です。
- 使用サイクルに合わせたリマインド機能
- 定期購入割引の案内
- 会員限定特典やクーポンの提供
これらの施策を行うことで、ショップを思い出してもらうきっかけを作れ、再購入につながる可能性が高くなります。
SNSでコミュニティを形成する
SNSは、OEMブランドにとって顧客との距離を縮め、ファンとの信頼関係を築くための効果的なツールです。
従来の一方通行の広告とは異なり、SNSはユーザーと会話ができる場であり、ブランドの世界観や想いをダイレクトに発信できる場所でもあります。SNS発信では、ユーザーとのコミュニケーションを大切にしましょう。
- コメントがついたら積極的に返信する
- ストーリー機能で開発の裏側を見せる
- アンケートを通じてユーザーの声を拾う
- 拡散型のプレゼント企画を行う
- ライブ配信をする
- アンバサダー制度を導入する
双方向のやり取りを重ねることで、ユーザーはブランドに親近感を感じ、自らシェアしてもらえる可能性が高まります。ブランドのファンが自発的に商品を紹介する「UGC(ユーザー生成コンテンツ)」が増えれば露出が増え、他の潜在顧客へもアプローチができます。
まとめ

OEM商品でも、価格以外の魅力を明確に打ち出せば、ライバルと差別化し、ファンを獲得できる可能性が高まります。そのために意識すべきポイントが「機能性」「感情的共鳴」「接点設計」の3つです。
- 機能性…製品としての基本性能や使いやすさ、品質など、顧客が納得するだけのスペックを備えていること
- 感情的共鳴…ブランドの世界観や背景に共感してもらえる要素を一貫して作り込むこと
- 接点設計…あなたのブランド・商品がどんな悩みを解決するのか、どんな体験を提供をしてくれるのか、分かりやすく伝えること
五感と感情に訴える「価値づけ」をすることで、商品の枠を超えて、ブランドとして記憶に残る存在になります。
弊社「イーウーパスポート」では、タグ制作・商品撮影・ロゴデザイン・パッケージ提案など、ブランドの世界観を形にするためのOEM支援をしております。商品の魅力と世界観を統一して伝えることで、ファンに選ばれるブランドづくりをサポートいたします。OEM商品でライバルと差別化していきたい方は、ぜひお気軽にご相談ください。


