商標権の基礎知識|知らないと危険なAmazon販売の落とし穴

「セロテープ®」(ニチバン株式会社の登録商標)、「シーチキン®」(はごろもフーズ株式会社の登録商標)、「UFOキャッチャー®」(株式会社セガの登録商標)。これらは普段、一般名詞のように使われていますが、実際はいずれも商標登録された名称です。

ほかにも商標登録されている名称はたくさんあります。知らずに商品名などに使用してしまうと、商標権侵害に該当する可能性があり、損害賠償などの法的責任を問われる場合があります。

そこで本記事では、商品を販売する上で注意すべき「商標権」について分かりやすく解説します。基礎知識を身につけておくことで、商標トラブルを未然に防ぎ、安心して販売することができますよ。

特にAmazonでは、商標権を含む知的財産権の侵害に対して厳格な対応がされています。知らなかったでは済まされませんので、Amazon販売をお考えの方はぜひお読みください。

目次

商標権の基礎知識

はじめに、商標権とは何か、商標権の種類を解説します。

商標権とは

商標とは、事業者が他人のサービスと区別するために、自社の商品やサービスに付ける名称やマークを指します。商標権とは、その商標を独占的に使用できる権利です。

商標権は「知的財産権」の一部であり、取得すると、他者はその名称やマークを許可なく使えなくなります。他者に模倣されるのを防ぎ、自分のブランドを守ることができるのです。

商標権は、購入者にとっても模倣品かどうかを気にせず、安心して商品を購入できるメリットがあります。

商標登録の種類

商標登録できるものは以下の10種類です。

  • 文字商標
  • 図形商標
  • 記号商標
  • 立体商標
  • 結合商標
  • 音商標
  • 色彩のみからなる商標
  • ホログラム商標
  • 位置商標
  • 動き商標

商標権は「自社の商品やサービス」と「名称やマーク」の組み合わせで一つの権利となります。マークのみでの商標登録はできません。また、一般的に使用されている語や、ありふれた名前など登録できないものもあります。

(参考:政府広報オンライン

Amazon販売における商標権侵害のリスク

Amazon販売で商標権を侵害したと判断された場合、商品ページの削除やアカウント停止の措置を受ける可能性があります。どういった行為が商標権の侵害にあたるのか、事前に確認しておきましょう。

Amazon販売での商標権の侵害行為とは

Amazon販売における商標権の侵害とは、以下のような行為を指します。

  • 他社ブランド名をタイトルや商品ページに無断使用
  • 偽物・模倣品の販売
  • ロゴやパッケージデザインの無断利用

実際にアメリカのAmazon.com, Inc.とキヤノン株式会社は、カメラ用バッテリーおよび充電器の模倣品販売者に対して共同で商標権侵害訴訟を提起し、勝訴しています。29の販売者に対して、侵害行為の停止および損害賠償などを命じる判決が下されています。
(参考:Canon株式会社「ニュースリリース」

Amazonで商標権を侵害するとどうなる?

商標権侵害の疑いが指摘された場合、Amazonから警告メールが送付されることがあります。この警告に対応せずに放置してしまうと、商品ページの削除やアカウントの一時停止、最悪の場合アカウント閉鎖になりかねません。警告メールが来た場合は、すぐにセラーセントラルの「アカウント健全性ダッシュボード」を確認し、適切に対応しましょう。

対応方法に迷ったら、アカウント健全性のスペシャリストに問い合わせるのが良いでしょう。連絡先は「アカウント健全性ダッシュボード」の右上に表示されています。

アカウント停止になってしまった場合の解決策については、以下の記事でも解説していますので、参考にしてみてください▼

Amazonで商標トラブルを避ける方法

Amazonで商標トラブルを避けるには、商品を販売する前に、商標登録がないかを確認することが大切です。商標登録されているかは「特許情報プラットフォーム(J-PlatPat)」で、確認できます。

特許情報プラットフォーム(J-PlatPat)≫https://www.j-platpat.inpit.go.jp/

また、Amazonでは相乗り出品ができますが、その商品や商品ページが商標権侵害をしている可能性もゼロではありません。慎重に確認してから出品しましょう。

さらに、商標トラブルを避けるには、信頼できる取引先から仕入れることが重要です。正規のメーカーや卸売業者、正規代理店から仕入れるようにしましょう。また、Amazonから証明書類の提出を求められた場合に備え、請求書や領収書などをきちんと保管しておくことも大切です。

商標権取得が効果的なケース

出品者として気を付けるべき商標権ですが、取得すれば、模倣品やコピー商品を防げたり、ブランドの信頼性が上がるメリットがあります。

以下のようなケースの場合は、商標権取得を検討してみると良いでしょう。

  • オリジナルブランドを販売したいとき
  • 長期的にシリーズ展開を考えているとき
  • Amazonブランド登録を利用したいとき

1つずつ解説します。

オリジナルブランドを販売したいとき

自分のオリジナルブランドを販売するなら、商標権の取得は早い段階で考えたほうが安心です。商標権を持っていれば、ブランド名やロゴを他人に使われる心配がなくなり、自分のブランドを守ることができます。

長期的にシリーズ展開を考えているとき

シリーズ品として販売を広げたい場合も商標権が効果的です。複数の商品を展開するときに、統一した名前やロゴを安心して使い続けられるためです。

シリーズ展開を見据えているなら、早めに商標権を確保することでブランドの一貫性を守り、購入者からの信頼を得やすくなります。

Amazonブランド登録を利用したいとき

Amazonには「ブランド登録」という制度があり、利用するには商標権が必要です。ブランド登録をすると、画像や表を使って商品ページをより魅力的にできる「A+コンテンツ」が利用できるようになります。さらに、模倣品や無断出品をAmazonに直接報告することも可能になります。

Amazonで本格的に販売を拡大していきたい人は、ブランド登録を前提に商標取得を検討すると良いでしょう。

商標権を取得するには

商標権を取得するには、特許庁に商標登録を出願し、審査を受ける必要があります。

商標登録の条件

登録できる商標は、以下の2つの条件に該当するものです。

  1. 事業者が自己の業務に係る商品・サービスに使用するマーク(識別標識)であること。
  2. 自己の商品・サービスと、他人の商品・サービスとを区別できること。
引用:政府広報オンライン

つまり、自分の商品やサービスを他人のものと区別できるマークが登録の対象となります。

商標登録にかかるコストと期間

登録にかかる手数料は以下のとおりです。

・出願料…3,400円+(区分数×8,600円)
・登録料…区分数×32,900円(10年一括納付)
     区分数×17,200円(5年分割納付)

紙で出願した場合は、別途「電子化手数料」もかかります。

(参考:政府広報オンライン

審査期間は一般的に5〜9カ月程度です。早期審査を申請した場合は、平均2か月程度で審査結果が出ます。

(参考:特許庁「商標審査着手状況」「商標早期審査・早期審理の概要」)

商標権の更新

商標権は一度取得すると10年間権利があります10年ごとに更新すれば、半永久的に権利が継続します。更新にかかる手数料は以下のとおりです。

 更新料…区分数×43,600円(10年一括納付)
     区分数×22,800円(5年分割納付)

まとめ

今回は、販売者が注意すべき「商標権」について解説しました。商標権を知らずに販売してしまうと、知らないうちに侵害行為をし、販売差し止めや損害賠償につながる恐れがあります。

商品を販売する前には、必ず商標登録の有無を確認し、侵害しない意識を持つことが大切です。

一方で、商標権はリスク回避だけではなく、自分のブランドを守り、安定・安心して販売するための武器にもなります。特にAmazonでは、商標登録をし、ブランド登録を行うことで、他社との差別化や無断出品を防止しやすくなります。

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