「楽天市場への出店を検討している」
「楽天市場で販売したいけれど、出店費用や審査が不安……」
「楽天市場で利益を出すためには、どのくらい売ればいいの?」
楽天市場は日本最大級のECモールですが、初期費用や月額費用が他モールに比べて高いため、黒字経営ができるかどうか、気になる方もいるでしょう。
そこで本記事では、楽天市場への出店の流れから審査の注意点、具体的な出店費用と損益分岐点まで詳しく解説します。
楽天市場で売上を上げていく方法も説明しますので、これから楽天市場に出店を考えている方は、ぜひ最後までご覧ください。
楽天市場出店までの流れ
まず、楽天市場で出店を開始するまでの流れは、以下の7ステップです。

大きく分けて審査は2回あります。それぞれ詳しく解説します。
STEP1:Webから出店申し込み
はじめに、下記の楽天市場ホームページにアクセスしましょう。「出店申込」から必要事項を入力して出店申請をします。
≫楽天市場「出店案内」

分からないことは支援担当者に確認しながら、準備を進めましょう。
STEP2:必要書類の確認・準備
申し込みをすると出店支援担当者から連絡が来ます。必要書類を依頼されますので、依頼されたものを用意しましょう。
必要な書類は、個人事業主と企業で異なりますが、主に以下の書類が求められます。
- 出店申込書
- 審査書類
- 商品の写真
- 取扱い商品によっては、許可や資格が必要な場合の書類
- 登記簿謄本(履歴事項全部証明書)
個人事業主の場合は、以下の書類も必要です。
- 住民票・印鑑証明書
- 実店舗の写真
分からないことは支援担当者に確認しながら、準備を進めましょう。
STEP3:出店審査
書類が準備できたら、提出して出店審査を受ける必要があります。審査に通れば店舗管理システム「RMS」のアカウントとIDが発行されます。
STEP4:出店料の入金
審査に通過し、利用を開始したら、出店料の入金が必要です。楽天BillPay(=精算帳票を閲覧するツール)ログイン後、20日以内が期限なので早めに入金しましょう。
STEP5:店舗構築
続いて、RMSで店舗の構築を進めていきます。決済方法や配送方法の設定、商品登録を行い、店舗ページを作ります。分からないことはショップオープンサポートセンターに確認しながら進めていきましょう。
STEP6:オープン審査
店舗ページができたら、RMSから審査依頼を申請し、担当の店舗オープンアドバイザーに連絡して、審査を受けます。フィードバックが返ってきた場合は、適切に対処し、再申請しましょう。
STEP7:開店
オープン審査に通過すれば、楽天市場で出店開始となります。
(参考:楽天市場出店案内「開店までの流れ」)
出店審査を受ける際の注意点

出店審査が厳しいと言われる楽天市場ですが、少しでも審査時間を短縮するために知っておきたい注意点をお伝えします。
店舗名・URLを決めておく
出店申請には店舗名とURLの登録が必要です。楽天市場は出店数が多いので、希望の店舗名がすでに使われている可能性があります。事前に確認しておくとスムーズに進められるでしょう。
携帯電話番号・フリーメールアドレスの登録不可
楽天市場の出店では、携帯電話番号やフリーメールアドレスの登録ができません。そのため、もし携帯電話番号やフリーメールアドレスしかない場合は、事前に固定電話番号や独自ドメインのメールアドレスを準備する必要があります。電話番号は050から始まるIP電話番号でもOK。IP電話番号なら比較的安価で簡単に取得できますよ。
オープン審査時にテストがある
楽天市場のオープン審査を通過するには、所定のテストに合格する必要があります。楽天市場の規約やガイドラインを事前にしっかりと理解しておくことが大切です。
オープン審査前に大量の商品を登録しない
オープン審査では、登録した商品情報に対して修正依頼が届くことがあります。もし、この段階で大量の商品を登録してしまうと、「時間をかけて多くの商品を登録したのに、すべてに修正が必要になってしまった……」という事態になりかねません。オープン審査時の商品登録数は最小限にし、出店後に商品数を増やしていくのが効率的です。
出店まで1カ月半~2カ月ほどかかる
出店申込をしてから開店するまでには、通常1カ月半~2カ月程度かかります。長いと3カ月以上かかる場合もあります。希望のオープン日がある場合は、余裕をもって申請するようにしましょう。
楽天市場の出店費用と損益分岐点

楽天出店の流れが分かったところで、どのくらい売れば、赤字にならずに運営していけるのか、気になる方もいるのではないでしょうか。この章では楽天の出店費用と損益分岐点について詳しく解説します。
楽天市場の出店費用
楽天市場の出店プランと料金は以下のとおりです。
プラン名 | がんばれ!プラン | スタンダードプラン | メガショッププラン |
---|---|---|---|
月額 | 25,000円(税別) | 65,000円(税別) | 130,000円(税別) |
システム利用料 | 3.5~7% | 2~4.5% | 2~4.5% |
登録可能商品数 | 10,000点 | 50,000点 | 無制限 |
画像容量 | 1.5GB | 100GB | 無制限 |
そのほかに、以下の費用もかかります。
- 初期登録費用:60,000円(税別)
- 楽天ポイント:楽天会員の購入代金(税抜)×付与率(通常1.0%)
- 楽天スーパーアフィリエイト:アフィリエイト経由売上の2.6~5.2%
- モールにおける取引の安全性・利便性向上のためのシステム利用料:月間売上高の0.1%
- R-Messe 月額固定費(税別):がんばれ!プラン:3,000円、スタンダードプラン・メガショッププラン:5,000円 ※無料期間中
- 楽天ペイ利用料:月間決済高の2.5%~3.5%
(参考:楽天市場出店案内「プラン・費用」)
楽天市場出店の損益分岐点
他のモールと比べて月額コストが高い楽天市場では、損益分岐点の把握が欠かせません。損益分岐点とは、事業における赤字と黒字の境界線です。
損益分岐点は以下の計算方法で算出できます。
損益分岐点(円)= 固定費 ÷(1 – 変動費)
たとえば、楽天市場の「がんばれ!プラン」で、仕入価格が500円、販売価格2,000円の商品を取り扱っているとしましょう。
・仕入原価:500円
・送料:200円
・販売手数料:約160円
商品原価=500円+200円+160円=860円
2,000円(販売価格)-860円(商品原価)=1,140円(利益)
27,500円(がんばれ!プラン月額費用)÷1,140円=24.122…(個)
以上の商品の場合、25個以上販売しなければ赤字になってしまいます。実際には、楽天スーパーアフィリエイト料や楽天ペイ利用料などもかかるので、もう少し変動費の負担は増えます。
詳細な月額費用を知りたい場合は、公式サイトで料金シミュレーションができます。併せて確認してみてください。
≫楽天市場出店案内「料金シミュレーション」
料金プランに迷ったら、「がんばれ!プラン」から始めると良いでしょう。楽天市場の公式では、目標月商が約178万円以上なら「スタンダードプラン」を推奨しています。出店後1年間はプランの変更ができないので、慎重に選ぶようにしましょう。
楽天市場で売上を上げる方法

最後に、赤字経営にならないために楽天市場で売上を上げる方法もご紹介します。
- 楽天市場のキャンペーンの活用
- 客単価を上げる
- 経費を抑える
- ブランディングを行う
それぞれ説明します。
楽天市場のキャンペーンの活用
楽天市場では頻繁にセールやキャンペーンが行われています。特に月2〜3回行われる「楽天お買い物マラソン」と、年4回の「楽天スーパーセール」が有名です。セール時期はモール全体の売上が上がるので、クーポン配布やポイント倍率のアップなどの販促施策を行い、販売機会を逃さないことが大切です。
客単価を上げる
楽天市場で黒字経営を続けるためには、経費を抑え、客単価を上げることが重要です。たとえば、まとめ買い割引や利益率の高い商品を中心に取り扱うことで、送料や梱包費を下げて、客単価を上げられます。
経費を抑える
経費を抑える方法の1つとして、広告費の削減もあります。リスティング広告は大きな集客を期待できますが、継続的な費用が発生します。一方で、無料のSNSをうまく活用すれば広告費を抑えられ、効果的な集客ができます。ターゲットに人気のインフルエンサーに商品提供し、リアルな使用感を紹介してもらうのも効果がありますよ。
ブランディングを行う
楽天市場で安定して売上を上げるには、「このお店で買えば間違いない」「〇〇を買うならこのお店」と思ってもらえるようなブランディングも大切です。
ブランディングに成功すると、他ショップより少し高くても売れたり、リピート購入に繋がりやすくなります。ターゲットに響くようなページ作り、商品作りを心がけましょう。顧客対応の質や発送スピードといった顧客満足度の向上も大切です。
まとめ
今回は、楽天市場の出店方法や損益分岐点、楽天市場で売上を上げる方法をご紹介しました。楽天市場で利益を出すには、経費の削減が欠かせません。
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