義烏庶民の活気の源、義烏朝食グルメ指南!

皆様、こんにちは!イーウーパスポートの並木です。

前々回のブログで義烏のB級グルメについて書かせていただきましたが、ごく一部の読者の方より非常に細やかな反響をいただいたことに気を良くしてしまい、今回はグルメ企画第2弾として、義烏庶民に愛されている朝食グルメをご紹介させていただこうとおもっているのですが、義烏に限らず中国人は朝食に対する思い入れが本当に強く、弊社の中国人スタッフも出勤途中で購入した様々な朝食を持参して勤務時間前のわずかな時間を使ってデスクで朝食を摂っている姿を目にします。彼女たちに「今朝は朝ご飯を食べてない」などと宣おうものなら、信じられないくらいのリアクションをされ、その行為が身体にどれほどの悪影響を及ぼすかを滔々と説教されたりすることもあるくらいなのです。そんなこともあり、私が毎朝の1時間弱の徒歩出勤の際に出くわす街の朝食スポットにもついつい目がいってしまい、バラエティに富んだ「朝の一品」にもだいぶ詳しくなりました。ということで今回は、私の通勤ルートで見つけたおすすめの義烏朝食グルメを何点かご紹介させていただきます。

まずは「豆浆(1.5元=約23円)」と「油条(1.5元=約23円)」のセットになります。「豆浆」とは言ってみれば豆乳みたいなもので、醤油を混ぜたしょっぱい系と砂糖を混ぜた甘い系の2種類があり、この中に適当に千切った「油条」を好みのふやけ具合になるまで浸して一緒に食すというものです。豆乳だけでは物足りないところにいわゆる揚げパンである「油条」を追加することで腹持ちの良い朝食になるという塩梅です。

次にこちらも中国の朝食としては王道の「粥」、そうです、おかゆになります。今回はピータンと青梗菜の微塵切りが入った「皮蛋青菜粥(13元=約221円)」をご紹介させていただきますが、湯気がモクモクと立ち上がる専用の鍋にはアツアツのおかゆとたっぷりの具が入った朝からちょっと贅沢な一品です。もちろんテイクアウト用にちゃんと簡易容器も用意されており、オフィスに持ち込んでこの味を楽しむこともできますので、寒いこの季節にはうってつけの朝食といえます。ただ猫舌の方にとっては半端ない熱さで供されますので、お店で食べる際にはくれぐれも口内火傷にお気を付けください。

続いてご紹介させていただきますのが「烧卖(1元=約17円)」「玫瑰豆沙包(1元=約17円)」「茶叶蛋(1.5元=約23円)」になります。「烧卖」といっても日本人になじみのあるシューマイとは見かけはよく似ていますが、中身はもち米でできた「おこわ」をシュウマイの皮で包んだもので挽肉などは入っておりません。

「玫瑰豆沙包」はいわゆるあんまんなのですが、こちらのお店の場合、こし餡を使っているのですが、そのこし餡に使っている甘味料が商品名にも入っているとおりバラの花びらを砂糖漬けにした「玫瑰酱=バラソース」を使っているので口当たりも滑らかな上、甘みも非常に上品に抑えられています。サイズも小さめですので甘党の方であれば一度に2,3個はぺろりと食べられるのではないでしょうか。

「茶叶蛋」はその名のとおりお茶の葉が入った煮汁で茹で上げた卵で、煮汁の中に中国独特の調味料である八角が入っているため、漂ってくる香りは中国料理そのものであり、いかにこの香りが中国人の味覚と嗅覚を刺激し、彼らのDNAに刷り込まれているかが分かる一品となっています。日本の煮卵のように見えますが、黄身の部分が半熟タイプのものはなく、完熟したものが一般的で、白身の表面にうっすらと煮汁の飴色が移っています。味付けはしょっぱさをほんの少し感じる程度で粉ものの主食だけでは物足りず、栄養面を補う意味でもう一品付け足す場合に重宝するサイドメニューではないでしょうか。

そしてこちらは「培根热狗卷(4元=約68円)」と「豆腐脑(3元=約51円)」になります。やわらかいクレープ風の生地にベーコンとウインナーとレタスが入ったボリュームたっぷりのアイテムです。具材からしていかにも西洋文化を取り入れたような食べ物ですが、上述したような中国の伝統的なものだけではなく、朝食の世界にも欧米スタイルの食文化が浸透していることの表れなのでしょう。その一方「豆腐脑」は名前がなかなかグロテスクで笑えるのですが、場所によっては「豆腐花」というところもあるようですが、中国大陸に限らず中華系民族がコミュニティーを形成している国や地域ではよく目にする食べ物です。味付けは「豆浆」と同じく甘い系としょっぱい系の2種類あり、この日は豆乳プリンをほうふつとさせるような甘い系にトライしてみましたが、口当たりが非常になめらかで、ツルッツルッとものの数秒でお腹の中に納まってしまうくらい食べやすいのです。これだったら食欲のないときでも「流動食」のような感じで、気軽に栄養補給ができるのではないでしょうか。

まだまだあります。こちらは「生煎包(5元=約85円)」と「芝麻球(1元=約17円)」になります。
「生煎包」は言ってみれば小さな肉まんを鉄板の上で焼き上げたようなもので、表面は肉まん特有の皮のソフトな舌触りと、鉄板でこんがりと焼かれた底面の香ばしい味わいが同時に楽しめるアイテムになっています。私が20数年前に留学していた上海では当時街のいたるところにこの「生煎包」を売る屋台があり、今では考えられない「地沟油=廃油」丸出しの鼈甲色になるまで使い回したであろう油で焼き上げた「生煎包」を食べても何ともなかった当時の自分を褒めてあげたい気持ちがよぎってくる食べ物でもあります。時代は変わり、2018年の中国ではほとんどの店で普通の薄い飴色をした「食用油」を使用している店ばかりですのでご安心ください。

「芝麻球」はこし餡をお餅で包んだものを胡麻でコーティングし油で揚げたもので、日本の中華街なんかでもよく目にするアイテムなのでご存知の方もいらっしゃるかもしれません。お餅独特の主張の強い弾力感と控えめな量の餡子、油で揚げたことによってより一層芳醇な香りを放つ胡麻のバランスが絶妙で、朝食だけでなく、午後の小腹が空く時間のおやつとして2,3個テイクアウトしたくなるほどお勧めの逸品です。

こちら「鲜肉灌汤包(1元=約17円)」は文字通り肉まんのことでありますが、日本のコンビニで売っているそれとはまったく似て非なるもので、ひとたび肉まんを頬張ると、コンビニ肉まんでは決して体験できないほどの量の肉汁が口中に溢れ出し、一個一元(約17円)という価格が申し訳なくなるくらいの感動を与えてくれる、さすがは中国朝食界において不動の地位を確立した食べ物といっていいかもしれません。ちなみに「鲜肉灌汤包」の「灌汤」とはスープを流し込むという意味で、餡を皮で包む際にゼラチン状になったスープの煮凝りを餡に混ぜ込み、蒸しあげる段階でこの煮凝りが溶け、口にほおばった際に一噛みするとスープが逆流するということをこの言葉で表現しているのですが、「うちのは普通の肉まんじゃないよ」という店主のプライドが垣間見えるネーミングそのものの別次元の肉まんを皆さんにも是非味わっていただきたいと思います。

こちらは「红糖馒头(1元=約17円)」になります。「红糖」は黒糖、「馒头」は中華まんの中身のない皮の部分だけのもので、確かに具は入っていないものの、義烏名産の黒糖が練りこまれた皮はほんのりと甘く、日本にもある黒糖蒸しパンのような味わいで、正統的な中国の朝食の概念からすると邪道であるコーヒーや紅茶とも相性が良いのではと思ってしまうほど、地味なビジュアルとは裏腹に非常に可能性を感じさせるアイテムだと思います。

こちら見た目ではおかゆなのですが名前は「稀饭(2元=約34円)」といいます。上述した「粥」と何が違うか説明させていただきますと、「稀饭」は煮込む際の水が多目で米が少な目となっているため食感が非常にさらさらして、食べるというよりは流し込む感じなのに対し、上述した「粥」は水は少な目、米が多目となっているため見かけも濃厚な感じがし、口に入れた感覚はドロドロとした明らかにお米の存在感が感じる食べ物になっています。よって「粥」には肉類や卵、魚介類が具として入っていることが多く、一品料理として完結できるといってもよいのですが、「稀饭」はどちらかというと、日本人的な感覚で言えば風邪をひいて寝込んだ際に、薬を飲むために何かお腹に物を入れなければいけない時に食べる、あのあっさりとした流動食というイメージでしょうか。よって写真にもありますとおり、通常は塩気のある搾菜などの漬物と一緒に食すというか流し込むのがパターンとなっております。

いよいよラストが近づいてまいりましたが「香葱肉饼(2.5元=約43円)」と「永康肉饼(3.5元=約60円)」という2種類の「饼」をご紹介させていただきます。「饼」といいましても日本の軟らかい粘着性のあるものではなく、こちら中国では粉ものを焼き上げたサクサクとした食べ物を総じて「饼」という言葉で表現するようですが、この「香葱肉饼」はその名のとおり、「饼」の中には葱と挽肉でできた餃子の餡のようなものが入っているのですが、写真を見ていただいてもわかるとおり、この食べ物はクリスピーな皮の歯ごたえを楽しむだけでも食べる価値があると言っていいほど、絶妙な焼き加減のカリッとした感覚はやはり実際に食べていただかないとお分かりいただけないと思います。

一方「永康肉饼」は義烏からもほど近い永康の名物小吃「=この言葉こそ中国のB級グルメを一言で表したワードで、安価で気軽で食べられる食事の総称になります。」で、私も前職でよく永康に出張した際には、当地の名店「千里香」の「永康肉饼」を必ずと言っていいほど食べていた位思い入れのある食べ物なのですが、残念ながら義烏で食べる「永康肉饼」は「千里香」のものには程遠いものばかりで、この写真のものも「永康肉饼」の具材として欠かせない「梅干菜=高菜のような漬物を乾燥させたもの」は辛うじて入ってはいるものの、皮と具材の挽肉とのハーモニーがどうもしっくり来ない感じがしてならないのです。一度店主に失礼覚悟でその点を話したことがあるのですが、その店主曰く、本格的な「永康肉饼」を作れる職人が最近なかなか義烏では見つからないらしく、看板には「永康肉饼」を謳ってはいるものの、単に偽物を売っているか、そもそも販売をしていない店がほとんどだということでした。

最後に番外編として弊社の義烏ツアーの指定ホテルになっております温德姆国际大酒店の近くの朝食スポットをご紹介したいと思います。「正宗金华小吃」は温德姆国际大酒店から徒歩1分程度という至近距離にあり、朝食どころか夜食目当てでも対応可能な24時間営業のお店になりますが、こちらの「小籠包」が朝食にはお勧めではないかと思います。こちらの「小籠包(9元=約153円)」は日本でもおなじみのフルフルの皮の中に、口にほおばると口中いっぱいに広がる肉汁がたっぷりという薄皮タイプのものを想像される方が多いかと思いますが、こちら義烏の小籠包の多くは厚皮タイプの、言ってみれば「小さな肉まん」と思っていただければよいかと思います。ただお店によっては日本人にもおなじみのスープたっぷりの薄皮の小籠包を置いてある場所もありますので、同じ店で2種類の小籠包を食べ較べしてみるというのも面白いかもしれません。

以上、私の独断で義烏で楽しむことができる朝食グルメの数々を紹介させていただきましたが、これらに共通するのが、どのお店も食事を供するのも、またお客がそれらを平らげるのもあっという間ということでしょうか。朝の忙しい時間にいかに食欲を満たし、一日を乗り切るための栄養をいかに補給できるかという目的に店側もお客側も長い期間をかけて突き詰め続けた結果、これだけバラエティに富んだ朝食の数々が生まれ、時代が変わり、社会のリズムがどんどん早くなっていく現代においても、今なお庶民には欠かせない生活インフラの一部となっているといっても過言ではないかと思います。店先に並ぶ蒸気が勢いよく噴き出している蒸篭やショーケースに並ぶアイテムを横目に店に入るや否や何も思案することなく各々の食べたいものを注文すると、ものの数秒でテーブルまで運ばれたそれらをあっという間に平らげた後は、店内に貼られたQRコードにスマホをかざしサクッと支払いを済ませ、再び足早にそれぞれの職場へ向かうという、両者のこの阿吽の呼吸とでもいえる一連の光景を眺めているだけでも、現在進行形の中国の生活の一端を垣間見ている気がしてくる面白い空間だと思います。皆様も義烏においでの際は、日中のタフな買付交渉の前に是非今回ご紹介させていただいた朝食の数々でパワーを注入して、中国人のこの活気とスピードに対抗できる準備をしていただき、実りある義烏滞在にしていただけたらと思っております。それでは皆様の義烏ご来訪を、こちら義烏で心よりお待ち申し上げております。

株式会社イーウーパスポート・品質管理マネージャー。
広州在住。

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